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遺言書の種類と書き方|自筆証書と公正証書の違い

遺言書の種類と書き方|自筆証書と公正証書の違い

目次
  1. 実務で使われる遺言書は主に2種類
  2. 自筆証書遺言の書き方
  3. 法務局に預ける保管制度
  4. 公正証書遺言という選択肢
  5. 書く前に押さえておきたいこと
  6. 分け方が決まると、相続税額も決まります

こんにちは。なえむら総合会計事務所、公認会計士・税理士の苗村です。

「遺言書なんて、まだ早いかな」——そう思いながら、頭の片隅では少し気になっていらっしゃるのかもしれません。元気なうちに考えることですから、なんとなく後回しになってしまうのは自然なことだと思います。

ただ、遺言書は「もしものときの備え」であると同時に、残される家族が迷わずに済むための道しるべでもあります。書き方さえ知っていれば、身構えるほど難しいものではありません。この記事では、実務でよく使われる遺言書の種類と、それぞれの特徴を整理します。

実務で使われる遺言書は主に2種類

遺言書にはいくつか形式がありますが、実際に使われているのはほぼ自筆証書遺言と公正証書遺言の2つです。ほかに秘密証書遺言という形式もありますが、手続きの割に利点が少なく、現場ではあまりお見かけしません。

自筆証書遺言

ご自身で全文を書いて作る遺言書。費用がかからず、思い立ったその日に作れます。一方で、形式に不備があると無効になる、保管場所によっては見つけてもらえない、といったリスクがあります。

公正証書遺言

公証人が作成し、原本を公証役場で保管する遺言書。無効になりにくく、紛失の心配もありません。証人2人が必要で、財産額に応じた手数料がかかります。

どちらが良い・悪いというより、財産の内容や相続人の状況によって向き不向きがあるとお考えください。

自筆証書遺言の書き方

自筆証書遺言は、次の4つが揃っていることが条件です。

自筆証書遺言に必要なもの

  • 全文を自分で書く(パソコン作成や代筆は不可)
  • 日付を書く(「令和◯年◯月吉日」のような特定できない書き方は避ける)
  • 氏名を書く
  • 押印する

ひとつ緩和されている点があります。財産の一覧である財産目録だけは、自書でなくても構いません。パソコンで作った一覧表や、預金通帳のコピー、不動産の登記事項証明書のコピーを添付する形でも認められます。ただし、その各ページに署名と押印が必要です。財産が多い方ほど、この方法は負担が軽くなります。

なお、自筆証書遺言は、亡くなった後に家庭裁判所の検認という手続きが必要です。相続人にとってはひと手間になります。

法務局に預ける保管制度

自筆証書遺言の弱点を補う仕組みとして、自筆証書遺言書保管制度があります。作成した遺言書を法務局に預けられる制度です。

保管制度を使うと変わること

  • 法務局で形式のチェックを受けられる(日付や押印など外形的な確認にとどまり、内容の有効性まで保証するものではありません)
  • 原本を法務局が保管するため、紛失や書き換えの心配がなくなる
  • 亡くなった後の検認が不要になる

費用を抑えつつ、保管の不安と検認の手間を減らせるため、自筆で書きたい方には検討の価値があります。

公正証書遺言という選択肢

公正証書遺言は、公証人が本人の意思を確認しながら文面を作り、公証役場で原本を保管します。2025年10月からは手続きがデジタル化され、原本は電子データで保管されるほか、ウェブ会議を使った作成も可能になりました。作成時に証人2人が必要で、財産額に応じた手数料がかかります。

費用と手間はかかりますが、公証人が関与するため形式不備で無効になることがほぼなく、検認も不要です。財産の種類が多い、相続人の間で意見が分かれそう、といったご事情がある場合は、こちらのほうが安心できると思います。

書く前に押さえておきたいこと

形式の話とは別に、内容面で気をつけていただきたい点があります。

遺留分への配慮

配偶者・子・直系尊属には、遺留分という最低限の取り分が法律で確保されています。これを無視した内容の遺言書も形式上は有効ですが、後日、不足分を金銭で支払うよう求める請求(遺留分侵害額請求)が起きて、家族が争うことになりかねません。「争わせないために書いた遺言書」が、かえって火種になってしまうのは残念なことです。

遺言書でできること

財産の分け方の指定のほか、手続きを進める遺言執行者の指定、認知なども遺言で行えます。誰が手続きを担うかまで決めておくと、残された方の負担がぐっと軽くなります。

書き直しはいつでもできる

一度書いたら変えられない、ということはありません。内容が重なる部分は日付の新しいものが優先されますので、状況が変わったら書き直せば大丈夫です。まずは今の考えで一度形にしておく、という進め方で構いません。

分け方が決まると、相続税額も決まります

ここが税理士としてお伝えしたいところです。遺言書で分け方を決めるということは、相続税額を決めることでもあります。

たとえば、配偶者の税額軽減とは?二次相続まで考えた分け方で解説しているとおり、配偶者が取得する財産には大きな軽減があります。自宅の土地についても、誰が引き継ぐかによって小規模宅地等の特例が使えるかどうかが変わります。同じ財産でも、分け方が違えば納める税額は変わってきます。

つまり、遺言書を作る段階で税額を試算しておくと、残された家族が実際に負担する金額が変わり得るということです。せっかく遺言書を用意するなら、この視点も一緒に確認しておくことをおすすめします。相続そのものの流れは相続とは?手続きの流れと相続税の基礎にまとめています。

相模原市で遺言書をお考えの方へ

自筆証書遺言書保管制度の窓口は、横浜地方法務局 相模原支局です。当事務所は相模原市南区、東林間駅から徒歩1分の場所にあります。なお、遺言書の作成自体は行政書士・司法書士・弁護士や公証人の領域です。当事務所は税額面のシミュレーションでご協力し、必要に応じて作成の専門家と連携しながら進めます。

遺言書について、押さえておきたい点を整理します。

  • 実務で使われるのは主に自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類
  • 自筆証書遺言は全文・日付・氏名を自書して押印。財産目録はパソコン作成や通帳コピーでもよい(各ページに署名押印)
  • 法務局の保管制度を使うと、紛失の心配がなくなり検認も不要になる
  • 公正証書遺言は費用と証人2人が必要だが、無効になりにくく検認も不要
  • 遺留分に配慮しないと、かえって家族が争うことになりかねない
  • 遺言はいつでも書き直せる。日付の新しいものが優先される

分け方によって相続税額が変わる以上、遺言書は「書いてから考える」より「考えてから書く」ほうが結果的に家族の負担が軽くなります。遺言を書く前の税額試算だけでも構いませんので、当事務所の相続に関する初回無料相談をご利用ください。財産の内容がまだ整理できていない段階でも、まだ書くかどうか決めかねている段階でも大丈夫です。相模原市を中心に、公認会計士・税理士が直接お話をうかがいます。

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